田口正二と須藤郁子は何者？
第２話でホントっぽいのは、警報を出すときの予報官の心情を矢野予報官が話しているシーン。
矢野予報官の言う通り、警報を出すときは本当に悩みます。明らかに大雨になることが予想できるときは良いですが、夏の雷雨のように大気の状態が不安定なときの大雨はどこで降り出すのか、いつ止むのか、どのくらい降るのかといった予想が難しいですから、かなり神経を使います。
矢野予報官が言う「空を見るのが天気予報の基本」というのは意見の分かれるところだと思います。どちらかと言うと、昔の予報官にはこういう人が多いと思いますが、最近の予報官で空を見てから予報を出すという人は減っています。数値予報と気象衛星やレーダーなどの観測データを見ていれば天気予報は出来ますので、矢野予報官のように屋上に上がって空を見上げることはほとんど無いといっても良いかもしれません。
私は、空を見て予測できる部分が少しでもあれば良いなとは思います。
では、今回のツッコミネタの田口正二と須藤郁子について。
- 田口正二は何者？
28歳で気象庁予報課勤務ということは、せいぜい技術主任でしょう。前回書いたように矢野予報官がＦ当番とすると、Ｆ当番の下に東京地方の天気予報や注意報・警報を作成する担当のＬ当番という役目がありますから、その可能性が大（ＬはLocalの頭文字）。第１話で矢野予報官が「田口の上司の･･･」と自己紹介しますが、直接の上司−部下という関係ではなく、仕事上は協力関係にあります。まあ、上司でなくても本当のＬ当番はＦ当番に対しあんなぞんざいな口の利き方はしませんが(^_^;)。
ところで、あんなにお調子者で軽い人がいるかというと･･･否定しません(^_^;)。
大体において気象庁職員が堅い人が多く、お天気キャスターの女の子やアナウンサーに対し興味を持っていてもそんな素振りは全く見せない人が多いのですが、中にはお天気お姉さん大好き(^○^)というような人もいます（あ、私か(^_^;)）。まあ、仕事中にラジオ局に電話したりする人はいませんが。
あ、そうそう、いつも彼は職場でスーツ姿ですが、登庁したらスーツは脱ぐ人がほとんどです。その点、カーディガンを着ている矢野予報官の方が実際に近い。
- 須藤郁子は何者？
以前、ウェザーラインの社長に「４階事務室で働いている女性はいるか？いるとしたら何をしているか？」と聞かれたので、「２人いて、１人は庶務をしている」と答えたのに、なぜか須藤郁子は事務室ではなく予報作業をする部屋（現業室といいます）にいますね。
事務をやっているようで、天気図をはさみで切り取っていることもあったり、矢野予報官にコピーを頼まれたりしますが、ああいう仕事をしている人は実際にはいません。
一般の会社にもいるような庶務の仕事（出勤簿の整理をしたり、福利厚生に関する仕事をしたり）をしている女性は予報課にいて、皆からＹチャン（Ｙには本名の最初の１文字が入る）と呼ばれています。なぜか須藤郁子と同じようにいつもスラックス姿です(^_^;)。眼鏡はかけていません。米倉涼子とタイプは違いますが美人です（と私は思う(^_^)）。
- 富士山測候所に出張？
第１話では御前崎測候所に、第２話ではなんと富士山測候所に田口正二は出張することになってしまいますが、あれは何をしに行くんでしょうねえ？(^_^;)
予報課の職員にも出張は少ないながらありますが、御前崎測候所に行く理由はちょっと考えられません。ましてや山開きがされていない富士山測候所なんて絶対に行きません（仕事がないと言う前に危険過ぎる）。ちなみに富士山測候所へ観測に行くのは、気象庁本庁の職員ではなく、東京管区気象台の職員です。田口正二クラスで出張するとすれば、羽田にある東京航空気象台、成田の新東京航空気象台、清瀬市にある気象衛星センター、つくばの気象研究所くらいでしょうか。
その日程も日曜日というのが不自然だし（通常、出張を土・日に組むことはない）、そもそもその日程の決定に須藤郁子が絡んでいる（彼女が決めた？）というのも良く分かりません。出張する場合は事前に「出張計画書」というものを提出することになっていますが、本人の知らないところでこれが作られるということはありません。
あ、そうそう、出張の日程が書かれた当番表が張り出されていたのはエレベーター前のホールですが（あれは気象庁内ロケです）、実際の当番表はあそこには張っていません。
ところで、第１話を見た気象関係者のＭＬで、あの矢野予報官がぴたりと止むのを当てた雨はどういう雨だろうという話が出ました。私は「寒冷前線」による雨という説を取ります。これであれば、数値予報を見て当日の朝レーダーで確認すれば、降り始めと降り終わりをかなりの精度で予想することができます。
関東地方では、寒冷前線が通り過ぎてから強い寒気が入るまでに半日から１日くらいの時間がかかるのはしばしばあることなので、雨が止んでから遊園地に行ってもそれほど寒くなく、快適に遊べると思います。
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